SUVの加速性能をパワーウェイトレシオという数値でランキングします。
パワーウェイトレシオとは、「1馬力が支えている車の重さ」のことで、加速性能を比較するための数値のひとつです。
「車両重量 ÷ 出力(馬力)」 で算出される数値で表示単位はkg/PSとなります。
この数値が小さければ小さいほど加速性能に優れていることになり、速いSUVということです。
目次
コンパクトSUVの加速性能ランキング
全長が4400mm以下程度のコンパクトSUVの加速性能を比較してみます。
コンパクトSUVでは通常のガソリンエンジンが多くなっていますが、燃費性能に優れるハイブリッドやディーゼルエンジンも多くラインアップされています。
ハイブリッドはガソリンとモーターが各々出力を発生していますが、ハイブリッドには「システム出力」という数値があります。
システム出力とは、エンジンの最高出力とモーターの最高出力の足し算ではなく理論的な出力です。
ハイブリッドはシステム出力でパワーウェイトレシオを算出しています。
コンパクトSUVで加速性能が高いのはヴェゼルとCX-30
まずはパワーウェイトレシオで判断する加速性能ランキングトップ5を紹介します。
順位 | 車種 | 最高出力(PS) | 車重(kg) | パワーウェイトレシオ |
1 | ヴェゼルTOURING | 172 | 1360 | 7.91 |
2 | CX-30 ガソリンターボ | 180 | 1490 | 8.28 |
3 | CX-3 2.0Lガソリン | 150 | 1250 | 8.33 |
4 | ヴェゼルハイブリッド | 152 | 1280 | 8.42 |
5 | CX-30 ガソリン | 156 | 1400 | 8.97 |
コンパクトSUVで加速性能が高いのはヴェゼルTOURINGです。
ヴェゼルTOURINGは「1.5L VTEC TURBO エンジン」が搭載されています。
この1.5L直噴ターボエンジンは一クラス上の「CR-V」に搭載されるエンジンなので、172psとヴェゼルには十分以上のパワーがあります。
ただ、ヴェゼルツーリングは、ターボなし1.5LのRSより150kgも重いのは残念です。
もう少し軽量化されていれば、もっと加速性能の高いSUVだったのですが。
加速性能2位はCX-30のマイルドハイブリッドです。
2リッター直列4気筒の直噴エンジンのスカイアクティブXにマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたモデルです。
ガソリンエンジン単体で180psを発生するパワフルなエンジンです。モーターも搭載されていますが、マイルドハイブリッドなので、最高出力にそれほど影響はないでしょう。
パワーではヴェゼルの1.5Lターボを上回りますが、ボディと排気量が大きい上に、モーターも搭載しているので車重が重くなります。
3位はまたマツダのCX-3です。
1250kgの軽量ボディに2.0Lのガソリンエンジンが搭載されていて、150psは必要十分以上のパワーが加速性能の高さにつながっています。
4位はヴェゼルハイブリッド、5位はCX-30の2.0Lガソリンエンジンです。
コンパクトSUVの加速性能ランキング上位はヴェゼルとCX-30がほとんどを占めています。
マツダのCXシリーズはどちらもガソリンエンジンにマイルドハイブリッド、ディーゼルエンジンと豊富なエンジンラインアップから選べるのは大きなメリットですね。
ヤリスクロスなどハイブリッドよりもガソリンエンジンが加速性能が高い
加速性能ランキング6位からの紹介です。
順位 | 車種 | 最高出力(PS) | 車重(kg) | パワーウェイトレシオ |
6 | エスクード | 136 | 1220 | 8.97 |
7 | ヴェゼル ガソリン | 131 | 1190 | 9.08 |
8 | ヤリスクロス ガソリン | 120 | 1120 | 9.33 |
9 | クロスビー | 99 | 960 | 9.70 |
10 | RVR | 139 | 1370 | 9.86 |
11 | エクリプスクロス | 150 | 1480 | 9.87 |
12 | ライズ | 98 | 970 | 9.90 |
13 | ヤリスクロスハイブリッド | 116 | 1170 | 10.09 |
14 | キックス e-POWER | 145 | 1550 | 10.69 |
15 | ジムニーシエラ | 102 | 1090 | 10.69 |
7位はまたもやヴェゼルがランクインしています。1.5Lエンジンのノンターボですが7位にランクインしています。
加速性能求めるならヴェゼル買っとけば間違いないですね。
2020年発売のヤリスクロスはガソリンエンジンが8位で、ハイブリッドが13位になっています。
どちらのエンジンもパワーウェイトレシオでのランキングは低くなっています。
ヴェゼルはハイブリッドのシステム出力が152psとパワフルですが、ヤリスクロスのハイブリッドは116psと120psのガソリンエンジンよりもパワーダウンしています。
さらにハイブリッドの方がモーター搭載のため重くなっているので、加速性能求めるのなら間違いなくガソリンエンジンです。
ヤリスクロスのハイブリッドは加速性能よりも燃費重視になっています。
e-POWER専用SUVのキックスの加速性能は14位と低めです。
キックスのシステム出力は145psと高いのですが、車重が1550kgとミドルクラスSUVなみの車重となっているのでパワーウェイトレシオが高くなっています。
ただ、e-POWERのモーターでの加速感や「ワンペダル」の操作感はとても評価が高くなっています。
「アクセル踏んだ瞬間からのモーターによる立ち上がりの良さはクセになる加速感」といったユーザー評価です。
パワーウェイトレシオだけでは評価できないのがキックスe-POWERです。
CX-30などディーゼルは加速性能が低い?
ここからは加速性能ランキング下位のSUVとなります。
順位 | 車種 | 最高出力(PS) | 車重(kg) | パワーウェイトレシオ |
16 | スバルXV e-BOXER | 145 | 1550 | 10.69 |
17 | CX-3 1.5Lガソリン | 111 | 1210 | 10.90 |
18 | CX-3 ディーゼル | 116 | 1300 | 11.21 |
19 | エクリプスクロス ディーゼル | 145 | 1680 | 11.59 |
20 | C-HR ハイブリッド | 122 | 1440 | 11.80 |
21 | C-HR ガソリン | 116 | 1400 | 12.07 |
22 | スバルXV ガソリン | 116 | 1410 | 12.16 |
23 | CX-30 ディーゼル | 116 | 1460 | 12.59 |
C-HRは20位、21位と加速性能ランキングはかなり下位となっています。
ガソリンエンジンは1400kgオーバーのボディですが1.2Lガソリンエンジンとなっています。
C-HRよりもコンパクトなヤリスクロスには1.5Lが搭載さえれているので、C-HRにも同じエンジン搭載が望ましいですね。
ハイブリッドはヤリスクロスよりもシステム出力は高くなっていますが、1400kgオーバーの車重がネックです。
CX-3やCX-30などディーゼルエンジンがランキング下位となっています。
CX-3、CX-30ともにガソリンエンジンでは加速性能ランキング上位でしたが、ディーゼルエンジンでは一気にランクダウンになっています。
これは、パワーウェイトレシオは最高出力での計算なっているからです。
ディーゼルエンジンの魅力は「トルク」です。
最高出力は低くても最大トルクはガソリンエンジンよりも大きくなります。しかも低回転で最大トルクを発生するので、街中での取り扱いのしやすさはディーゼルエンジンが上です。
最高出力 | 最大トルク | |
CX-30 1.8Lディーゼル | 116ps | 27.5kgf・m |
CX-30 2.0Lマイルドハイブリッド | 180ps | 22.8kgf・m |
ヴェゼルTOURING | 172ps | 22.4kgf・m |
加速性能ランキング1位、2位のSUVと比較してもCX-30の1.8Lディーゼルの方が最大トルクは大きくなっています。
低回転で最大トルクを発生するディーゼルの方が生活加速では上となり、高速域での伸びは最高出力の高いガソリンが上となります。
ミドルクラスSUVの加速性能ランキング
全長が4600mm前後のミドルクラスSUVの加速性能ランキングを紹介します。
エンジンには「ガソリン」「ハイブリッド」「ディーゼル」の3種類となっています。今回はパワーウェイトレシオなので最高出力と車重からのランキングとなります。
CX-5の2.5Lガソリンターボが最も早い国産SUV
ミドルクラスSUVの加速性能ランキングのトップ5です。
順位 | 車種 | 最高出力(PS) | 車重(kg) | パワーウェイトレシオ |
1 | CX-5 ガソリンターボ | 230 | 1620 | 7.04 |
2 | ハリアーハイブリッド | 226 | 1650 | 7.30 |
3 | RAV4 ハイブリッド | 226 | 1690 | 7.48 |
4 | CX-8 ガソリンターボ | 230 | 1820 | 7.91 |
5 | CX-5 ディーゼル | 200 | 1620 | 8.10 |
パワーウェイトレシオ1位はCX-5のガソリンターボエンジンです。
CX-5の2.5Lガソリンターボの最高出力は230psで最大トルクは42.8kgf・mです。このエンジンのすごいところは最大トルクがディーゼルエンジン並みに大きいことです。
ガソリンエンジンの高速の伸びと、街中などでのちょっとした加速の強さが両立されています。
ただし、CX-5で売れているのはほとんどディーゼルエンジンです。ディーゼルエンジンも5位にランクインしています。
CX-5のディーゼルは最大トルク45.9kgf・mと、2.5トンのスーパーヘビー級ランクル4.6Lエンジンとほぼ同じトルクを発生しています。
4位ランクインのCX-8もCX-5のガソリンターボと同じエンジンです。
車重が重い分加速性能はCX-5よりも劣ってきます。
2位はハリアーハイブリッド、3位はRAV4ハイブリッドです。
ハリアーとRAV4は同じエンンジンが搭載されています。
車重もほぼ同じでグレードと4WDかFFかで車重が変わるため、この2台のパワーウェイトレシオはほぼ同じになります。
2.5Lエンジンに電動モーターが組み合わせられ、ハイブリッド4WDはさらにリアモーターが搭載されています。
ハイブリッド4WDになると車重がかなり重くなりますが、54psのリアモーターが積極的にクルマを押してくれて、強烈な加速感になります。
ハイブリッドはCX-5のエンジンパワーでの加速感とはまた違った加速感が味わえるのがメリットです。
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CR-Vガソリンエンジンの加速性能は高い
加速性能ランキングの6位から10位です。
順位 | 車種 | 最高出力(PS) | 車重(kg) | パワーウェイトレシオ |
6 | CR-V ガソリン | 190 | 1560 | 8.21 |
7 | CR-V ハイブリッド | 199 | 1650 | 8.29 |
8 | CX-5 ガソリン | 188 | 1620 | 8.62 |
9 | エクストレイル ハイブリッド | 182 | 1600 | 8.79 |
10 | フォレスター ガソリンターボ | 177 | 1570 | 8.87 |
6位と7位はCR-Vのガソリンエンジンとハイブリッドがランクインしています。
CR-Vのガソリンエンジンはわずか1.5Lという小さなエンジンで190psを発生して、1500kgを超えるボディを走らせます。
さすがに走りはじめの俊敏さはそれ程ではないですが、楽しい加速感が味わえると評価高いです。
その点、CR-Vのハイブリッドはモーター走行が基本なので、アクセルを踏んだ瞬間から速度は上昇していきます。エンジンは発電用です。
10位にはフォレスターの1.8Lガソリンターボエンジンがランクインしています。
走りのスバルのイメージですが、最近のスバルSUVはハイパワーなターボエンジンの搭載はありません。
そんな中10位にランクインしているのは2020年に発売された1.8L直噴ターボエンジンです。
177psと最高出力は控えめですが、最大トルクは30.6kgf・mとトルクで走るエンジンになっています。
ハリアー、RAV4のガソリンでは加速性能に不満?
ランキング11位から15位です。
順位 | 車種 | 最高出力(PS) | 車重(kg) | パワーウェイトレシオ |
11 | レガシィアウトバック | 175 | 1580 | 9.03 |
12 | CX-8 ガソリン | 190 | 1720 | 9.05 |
13 | CX-8 ディーゼル | 200 | 1830 | 9.15 |
14 | ハリアー ガソリン | 171 | 1570 | 9.18 |
15 | RAV4 ガソリン | 171 | 1570 | 9.18 |
CX-5と同じエンジンを搭載するCX-8は車重が重い分ランキングは下位です。
ただし、最大トルク45.9kgf・mのディーゼルエンジンなら1800kgオーバーのボディでも、過不足なく加速してくれます。
燃費も燃料費も安く経済的で加速性能に優れたマツダディーゼルの人気は納得です。
ハリアーとRAV4の2.0Lガソリンエンジンは14位、15位と低迷です。
ハイブリッドではモーターによる強烈な加速感が味わえるハリアーとRAV4ですが、価格が結構高くなります。
ただし、お買い得感の高いのは2.0Lガソリンエンジンでは加速性能は平凡なイメージです。「パワー不足ではないけど、必要十分程度」といったユーザー評価が多いです。
2.0Lの自然吸気エンジンではなく、2.5Lエンジンか先代ハリアーにラインアップされていた2.0L直噴ターボエンジンが欲しいところですね。
アウトランダーPHEVの加速性能は低いのか?
ミドルクラスSUVの加速性能ランキング下位です。
順位 | 車種 | 最高出力(PS) | 車重(kg) | パワーウェイトレシオ |
16 | アウトランダー2.4ガソリン | 169 | 1580 | 9.35 |
17 | CX-5 2.0Lガソリン | 156 | 1530 | 9.81 |
18 | アウトランダーPHEV | 190 | 1900 | 10.00 |
19 | アウトランダー2.0ガソリン | 150 | 1520 | 10.13 |
20 | エクストレイル ガソリン | 147 | 1560 | 10.61 |
21 | フォレスター e-POWER | 145 | 1630 | 11.24 |
アウトランダーがすべて下位にランキングされました。
2013年発売の古いモデルのアウトランダーガソリンエンジは、明らかにパワーの低さが原因です。
ただし、アウトランダーPHEVについてはシステム出力は公表値は存在していないので、実際はここまでランキング下位ではないと感じます。
0-100km/h加速のタイムが9秒台と言われているので、このランキングほど加速性能は低くありません。
SUV加速性能ランキングのまとめ
コンパクトSUV
- コンパクトSUVの加速性能1位はヴェゼルTOURING
- 加速性能ランキング上位はヴェゼルとCX-30が独占
- ディーゼルのランキングは低いがトルクが大きく街中の加速は有利
- C-HRはガソリン・ハイブリッドともにパワー不足気味
ミドルクラスSUV
- ミドルクラスSUVの加速性能1位はCX-5の2.5Lガソリンターボ
- マツダ2.5Lガソリンターボは最高出力、最大トルクともに高スペック
- ハリアー、RAV4のハイブリッドは加速性能が高い
- ハリアー、RAV4のガソリンエンジンは必要最低限程度のパワー
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