スズキのアルトは1978年に発売された歴史のある軽自動車です。1993年にハイトワゴンのワゴンRが発売されるまでは、スズキを代表する軽自動車でした。
ワゴンRが発売されてからは、ダイハツのムーヴとともにハイトワゴンブームとなり、その後ダイハツからタントが発売されるとスーパーハイトワゴンが軽自動車の主流となりました。
存在感がうすくなったかに思われるセダンタイプのアルトも、軽自動車の原点である「安い」「軽い」「低燃費」の3拍子が揃った軽自動車のお手本的な存在です。
2014年12月にモデルチェンジした8代目アルトも原点回帰を追求した人気モデルになっています。
目次
アルトのメリットは安い・軽い、そして低燃費
アルトのもっと安いグレードの「F」は85万円です。大きく100万円を割る価格でクルマを買うことができます。
2014年にモデルチェンジされた8代目アルトのコンセプトは原点回帰です。クルマのベースとなるプラットフォームを全面刷新することで、徹底した低コスト化と軽量化が実現されています。
ラインアップは「F」「L」「S」「X」「ターボRS」の5種類です。最も安いグレードの「F」はトランスミッションが5速MTと、それをロボットが自動変速する5速AGS(オートギアシフト)になるので、一般的にはCVTとなる「L」以上のグレードになりますが、それでも価格は89万円と安く買いやすい設定です。
安い軽自動車についてもっと知りたい方は「安い軽自動車を買う」をご覧ください。
刷新されたプラットフォームは、構造や部品の配置を全面的に見直し、剛性・静粛性・衝突性能・走行性能が向上し、さらに大幅な軽量化が図られていて、ボディの素材も大幅に変更、軽量で高強度な高張力鋼板が多く採用されています。
リアシートもボルト&ナットの溶接からボディー溶接に変更し、部品点数を下げるなどの軽量化が図られています。
まさに、地道な努力の積み重ねで、車重は610kg~670kgと、装備同等のライバルと比較して80kg以上も軽くなっています。大人の男性1人分以上です。
そして、この徹底した軽量化が、JC08モード燃費37.0km/Lという圧倒的な低燃費の実現につながっています。
アルトの走行性能・エンジンパワー
アルトは安く、軽いからといって、走行性能が安っぽいわけではありません。
軽くても十分なボディ剛性が確保されていて、うねった路面を乗り越えても、内装からきしみ音がでるようなことはありません。
「S」以下のグレードは、前後のスタビライザーが装着されてなく、タイヤも13インチになりますが、市街地走行の操縦性能は十分に軽快です。
発進加速は、超軽量ボディのために、自然吸気エンジンでもかなり力強いのが特徴です。エンジンの低速トルクが大きいので、アクセルを深く踏み込まなくても、不満のない加速力をだすことができます。
スーパーハイトワゴンを筆頭に、軽自動車はターボエンジンでないと走らないというイメージを覆すかのごとく、自然吸気エンジンでも活発な走りができるのがアルトの魅力です。
ターボエンジン搭載の「ターボRS」の走りは別格です。
ターボの応答遅れも小さく、超軽量ボディのため、1.0Lぐらいのエンジンを積んでいる感覚のパワーです。
操縦性はよりダイレクトになって、峠道も小気味良く走ることが出来ます。乗り心地は引き締まっていますが、補強されたボディが路面からの衝撃をしっかり受け止めてくれるため、不快な突き上げは最小限に抑えられています。
関連リンク
軽自動車の自然吸気エンジンのパワーと走りを比較
軽自動車のターボエンジンのパワーと走りを比較
アルトの室内とラゲッジスペース
全高が1,500mmなので、スーパーハイトワゴンなどと比べれば、絶対的な居住スペースは劣りますが、圧迫感のない絶妙な居住スペースが実現されています。
大人2名乗車+荷物の使用が一般的ならば、何の問題もないスペースになっています。
室内空間に関しては「軽自動車の室内スペース比較」で詳しく紹介しています。
かつて古くからセダンタイプを乗り継いできたユーザーが違和感を抱かないように、低い運転ポジションにこだわっていましたが、2014年にモデルチェンジしてからは、着座位置が上がって運転姿勢はハイトワゴンに近づきました。視界も広がり、特に小柄の人は運転のしやすさは大幅にアップしています。
後席はフラットなデザインで姿勢保つよりも解放感が重視されています。
ラゲッジルームは、奥行が415mmと必要十分なスペースですが、ハイトワゴンなどと比較すると高さがないために積める荷物は少なくなります。
後席格納は背もたれを前に倒す方式です。背もたれ上部にあるロックを左右同時に操作しないといけないので少々手間です。倒した際は床面に段差がないのは良い点です。ただし、左右分割ではないので、格納すると後席には一人も座れなくなります。
アルトのデメリット
安くて軽く低燃費と、軽自動車のメリットを取りそろえたアルトですが、多少のデメリットもあります。
軽量化達成のため、遮音材が削減されているため、特に高速道路での走行時ではノイズが大きくなります。静かな車内を実現するには、やはりある程度の重量増は避けられません。これは軽自動車の価値観をどう捉えるかによって変わってきます。
あとは、個性的なスタイリングです。
ライバルとは一線を画した、歴代モデルの中でも最も個性豊かと思えるスタイリングになっています。
丸みを強調した女性的なデザインだった先代の7代目から一転、2014年のモデルチェンジから直線的なラインとなった8代目アルトは、少々男性的になっています。
軽自動車ユーザーは圧倒的に女性が多い中、アルトのスタイリングは口コミ評価は高くありません。
スタイリングデザインは好みの問題なので、デメリットとまでいえるかどかうかはわかりませんが。
アルトを買う
軽量ボディのアルトは自然吸気エンジンで十分です。
中間グレードの「L(89万円)」でも、基本機能や性能は上位グレードの「S(100万円)」と変わりませんが、後席のヘッドレストがつく「S」に自動ブレーキのレーダーブレーキサポートをつけるのがおすすめの買い方になります。
自動ブレーキに関しては「軽自動車の自動ブレーキ比較」で詳しく紹介しています。
もう少し走りの質にこだわるのならば、ホイールサイズが15インチと大きく、前後スタビライザーが装備される「X(113万円)」を買うことになります。
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アルトのデータ
アルトS レーダーブレーキサポート装着車
全長×全幅×全高 | 3395×1475×1500 |
室内長×室内幅×室内高 | 2040×1255×1215 |
トレッド 前/後 | 1295/1300 |
車両重量 | 650kg |
エンジン種類 | 直列3気筒DOHC |
最高出力 | 52ps |
最大トルク | 6.4kgm/4000rpm |
燃料タンク容量 | 27L |
タイヤサイズ | 145/80R13 |
最小回転半径 | 4.2m |
JC08モード燃費 | 37.0km/L |
車両本体価格 | 102万3840円 |