ムーヴはダイハツの主力車種です。初代ムーヴは1995年に発売され、ライバルのスズキ・ワゴンRと一緒に背の高い軽自動車である、ハイトワゴン市場を開拓してきました。今ではもっと背の高いスーパーバイトワゴンが人気の中心となって、ダイハツの主力車種もタントとなってきています。
そうはいっても、ムーヴは日本の軽自動車の走りの質感を高めてきたリーダー的存在となっています。2014年12月に発売され、2017年8月にマイナーチェンジを実施した新型ムーヴは、歴代最高のハイトワゴンを目指すべく、ベンチマークを世界のコンパクトカーの基準とされるVWポロに設定されているほどです。
⇒ムーヴ/ムーヴカスタムの試乗・クチコミ評価
⇒ムーヴのグレード別装備と価格を比較 ターボはコスパが高い?
目次
新型ムーヴのスタイリング
2017年8月のマイナーチェンジでスタイリングが大幅に変更されています。
↑新型ムーヴ
↑新型ムーヴカスタム
カスタムではフロントマスクが刷新され、多灯薄型LEDヘッドランプと形状の新しいLEDクリアランスランプが装着されました。グリルの開口部もワイドになって迫力が増しています。
スタイリングは個人の好みの問題ではありますが、ムーヴカスタムは新型ワゴンRスティングレーよりもカッコ良いデザインだと思います。
↑新型ワゴンRスティングレー
新型ムーヴはスマートアシストⅢに進化
2017年8月にマイナーチェンジで新型となったムーヴには最新の安全装備である「スマートアシストⅢ:が搭載されています。
これまで搭載されていたスマートアシストⅡでは、歩行者と衝突する危険を検知しても警報を発するだけでした。しかし、スマートアシストⅢでは、2個のカメラセンサーを備えていて、歩行者にも自動ブレーキが対応しています。
スマートアシストⅢの主な安全機能
- 自動ブレーキ(車両・歩行者)
- 誤発進抑制
- 後方誤発進抑制
- 先行車発進通知
- オートハイビーム
- 車線逸脱警報
まさに軽自動車でトップクラスの安全装備です。
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さらに、パノラマ対応カメラがオプション設定されています。指定されたディーラーオプションのナビを装着すると、車両の周囲を上空から見たような映像としてナビ画面に表示できます。車庫入れが苦手な方にはとてもありがたい装備です。ちなみにこの装備は、アラウンドビューモニターとしてデイズでは標準装備されています。
新型ムーヴはエアバッグが欠点
ただ、新型ムーヴの安全装備には大きな欠点があります。それはエアバッグです。
サイドエアバッグとカーテンエアバッグがオプション設定できるグレードが減っています。軽自動車は車両が小さく軽いため、衝突してしまうと普通車よりも危険です。そのためにも、エアバッグはサイドエアバッグとカーレンエアバッグは装着するべきなのですが・・・。
エアバッグについては、最大のライバルとなるワゴンRもスティングレーの最上級グレードにサイドエアバッグとカーテンエアバッグが標準装備されているだけで、他のグレードにはオプションですら設定されていません。
ハイトワゴンの中でエアバッグが一番充実しているのはN-WGNです。
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新型ムーヴの居住性とラゲッジスペース
新型ムーヴの全高は1630mmで、ホイールベースも2455mmと長いので、前後席ともに頭上と足元のスペースが広く、膝前のスペースは約70~310mmと大人4名乗車にも十分対応できます。ただ、居住スペースに関しては室内長が2450mmと圧倒的に広い、新型ワゴンRの方が断然有利です。
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ラゲッジルームは、フロア手前側の両サイドは段差がありますが物は置くことができます。
通常時の奥行きは狭く見えますが、後席シートに240mmの左右分割のスライド機能があるので、簡単な操作で約569mmまで拡大することができます。もちろん背もたれの前倒し機能もあるので、最大で1310mmまでの奥行きスペースが利用できます。
また、ラゲッジスペースの床下には深底の大容量アンダーボックスが装備されています。エクストラスペースとして活用できるのはもちろん、観葉植物など丈のある荷物の積み込みにも役立ちます。
新型ムーヴの試乗評価 走行性能と静粛性は?
新型ムーヴの試乗評価は、運転席に座るとまずは運転のしやすさが実感できると高評価です。ステアリンフとペダルの適正な配置のおかげで、自然でリラックスした運転姿勢が取れます。シートの包み込むようなサポート感ある座り心地も高評価です。また、快適装備で運転席のシートヒーターが設定できるのも嬉しい装備です。
エンジンは52psの自然吸気エンジンと、64psのターボエンジンがラインアップされています。FF車の燃費は自然吸気エンジンが31km/Lで、ターボエンジンが27.4km/Lと低燃費ですが、ワゴンRのマイルドハイブリッドの33.4km/L、28.4km/Lには及びません。
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新型ムーヴ自然吸気エンジンの試乗評価
自然吸気エンジンは、全域でトルクがあって、街乗りから高速走行までそつなくこなせますが、車両重量に対して実用回転域のパワーは不足しています。5000rpm付近を超える加速の仕方が活発になるイメージです。
それなりのペースを維持するにはエンジンをある程度回す必要があるのですが、それでも徹底した遮音対策によって車内に侵入するエンジンノイズが抑えられ、想定外に静かなクルージングが可能になっています。聞こえてくるのはタイヤがは発するロードノイズがメインといった感じです。
新型ムーヴターボエンジンの試乗評価
ターボエンジンは動力性能が大幅に高く、市街地などでの発進ではアクセルペダルを軽く踏むだけで必要な加速力が得られます。ただしターボのクセが感じられ、巡行中にアクセルペダルを踏みますと、タイミングが若干遅れて速度を高めていきます。
CVT(無段変速機)のアクセル操作に対するダイレクト感も乏しく、ターボ性格と相まって速度の微調整がしにくいとの評価があります。
動力性能は自然吸気エンジン1.0L並みで問題ないようですが、エンジンのフィーリングなどに関しての評価はイマイチのようです。
新型ムーヴの乗り心地
乗り心地は軽自動車トップレベルの快適性と上質感があります。
特に30km/h以下でのフラットな乗り心地は評価が高いです。それ以上の速度域で段差やうねり路を走破しても乗り心地はおおむねフラットなので、上下の視線移動は最小限で、ドライブ中の乗員の疲れにくさにつながっています。
カスタム「RS ハイパーSAⅢ」は、タイヤサイズが15インチに拡大されて足回りの設定も異なり、操舵に対する反応が機敏になります。カーブを曲がる時も旋回軌跡が広がりにくい。
乗り心地は硬めですが粗さを抑えて快適性はあまり損なわれていません。速度が高まると快適になるので、ターボの動力性能を生かして、高速道路などを使った長距離移動にも適しています。
新型ムーヴのおすすめグレード・買い方
街乗りメインなら自然吸気エンジンで十分です。ただし、スマートアシストⅢが装備されているグレードがおすすめです。今や軽自動車には自動ブレーキなどの安全装備は必須と考えた方が良いです。
フル乗車でのロングドライブを前提としているのならターボモデルがおすすとなります。自然吸気エンジンのモデルから7万5600円高となりますが、動力性能のゆとりだけでなく、ステアリングが本革巻きになり、走行中の上級感は格段にアップします。
カスタムはエアロパーツを備えた上級シリーズなので、ターボの「RS ハイパーSAⅢ」がおすすめです。自然吸気エンジンのモデルよりも13万5000円高くなりますが、スポーティサスペンションなど7万円相当の装備が加わって、ターボエンジンの価格は6~7万円です。
↑RS ハイパーSAⅢ
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新型ムーヴのデータ
X"SAⅢ"
全長×全幅×全高 | 3395×1475×1630 |
室内長×室内幅×室内高 | 2080×1320×1280 |
トレッド 前/後 | 1305/1295 |
車両重量 | 820kg |
エンジン種類 | 直列3気筒DOHC |
最高出力 | 52ps |
最大トルク | 6.1kgm/5200rpm |
燃料タンク容量 | 30L |
タイヤサイズ | 155/65R14 |
最小回転半径 | 4.4m |
JC08モード燃費 | 31.0km/L |
車両本体価格 | 127万4400円 |
カスタム RS"ハイパーSAⅢ"
全長×全幅×全高 | 3395×1475×1630 |
室内長×室内幅×室内高 | 2080×1320×1280 |
トレッド 前/後 | 1305/1295 |
車両重量 | 850kg |
エンジン種類 | 直列3気筒DOHCターボ |
最高出力 | 64ps |
最大トルク | 9.4kgm/3200rpm |
燃料タンク容量 | 30L |
タイヤサイズ | 165/55R15 |
最小回転半径 | 4.7m |
JC08モード燃費 | 27.4km/L |
車両本体価格 | 162万4500円 |