軽自動車の安全装備を比較

軽自動車の横滑り防止装置(ESC)は?

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軽自動車は危険だ!なんてイメージ強い方も多いのではないでしょうか?

事故をしてしまったら危険な部分もありますが、事故や衝突を防ぐことが出来れば軽自動車は危険ではありません。当たり前ですが・・・。

事故を防ぐ安全装備の中の横滑り防止装置(ESC)があります。かなり地味な存在ですが、少し前までは高級車にしか搭載されていない安全装備でした。

最近では軽自動車にも搭載が広がっています。

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横滑り防止装置とは?

横滑り防止装置とは、ESCとも呼ばれ車の基本性能である「走る」「曲がる」「止まる」の中で「曲がる」を制御する安全装備です。

突然の路面状況の変化や、危険回避などのために急なハンドル操作をして自動車の車両姿勢が乱れた時に、横滑りなどの車両の不安定な挙動を抑制して、走行安定性を確保し、車両の姿勢を安定させるシステムです。

急ブレーキ時の車輪ロックを防ぐABS、加速時などの車輪空転を抑えるTCS、旋回時の横すべり抑制のESC、これら3つの機能をトータルに制御して、車両旋回時におけるアンダーステアやオーバーステアを防止する制御が可能になります。

ちなみに、速度の上昇でクルマが内側に切れ込むステアリング特性をオーバーステア、外側に膨らむことをアンダーステアと言います。

オーバーステアだと歩道やガードレールなどに突っ込んでしまう、アンダーステアだと対向車との衝突の危険があります。横滑り防止装置(ESC)はドライバーが意識することなくこれらの危険から守ってくれています。

事実、ESCの導入は事故の軽減に効果があるとされていて、事故率減少に効果があります。

ヨーロッパにおけるデータでは、単独事故の発生率が約30%減少すると言われています。また、日本におけるデータとしては、事故の発生率が車両単独事故で約44%減少するというので、とても大事な安全装備といえます。

軽自動車への横滑り防止装置(ESC)搭載は?

横滑り防止装置は、メルセデスが1995年に世界に先駆けてSクラスに搭載されました。その後事故を未然に防ぐ最新技術として、先進国を中心に標準化が進んでいます。

ただし、日本での普及率はドイツと比較するとまだまだ低くなっています。販売台数の多い軽自動車への搭載が少ないことが大きな要因のようです。ESC搭載にはコストがかかるため、低価格での販売が求められる軽自動車への普及は遅れているのでしょう。

ただ、日本でも搭載の義務化が決まっていて、2012年10月以降に新型車として発売された又は、フルモデルチェンジされた乗用車には全車標準装備となっています。既存車種も2014年10月以降には装備に追加しなければなりません。

ただし軽自動車は除くです!税金以外に、ここでも謎の軽自動車特別扱いがあります。軽自動車の装着義務については新型車が2014年10月以降、それ以外は2018年2月以降に義務化されます。

事故予防に確実に効果のある装備だけに、義務化されてなくても軽自動車に積極的な装着を、各メーカーにお願いしたいですね。



軽自動車メーカー別の横滑り防止装置

各メーカー別の車種別に横滑り防止装置の装着状況です。各メーカーで呼び名が違っているのも、知名度が低い安全装備になっている原因でしょう。

スズキの横滑り防止装置 ESP

スズキではコーナーなどでの横滑りを抑えるスタビリティコントロール、発進・加速時に駆動輪の空転を抑えるトラクションコントロール、急ブレーキ時にタイヤのロックを抑えるABSを総合的に制御するシステムをがESPと呼ばれています。エレクトリック・スタビリティ・プログラムの略となります。

ESPが標準装備されているのは

  • アルト
  • ラパン
  • ワゴンR
  • ハスラー(一部グレード除く)
  • スペーシア
  • ジムニー
  • エブリイワゴン

ダイハツの横滑り防止装置 VSC

ダイハツではVSCと呼んでいます。ビークル・スタビリティ・コントロールの略です。

VSCは急なハンドル操作や、滑りやすい路面でのコーナリング時に横滑りが発生した場合、ブレーキとエンジン出力を自動的にコントロールして車両安定性を確保します。

VSCが標準装備されているのは

アトレーワゴンには装着されていません。全高の高いアトレーワゴンに装着されていないのは残念です。

ホンダの横滑り防止装置 VSA

ホンダの軽自動車は、急ブレーキ時の車輪ロックを防ぐEBD付ABS、加速時などの車輪空転を抑えるTCSと、横滑り防止装置の3つの機能をトータルに制御するシステムをVSAと呼んでいます。

VSAとはビークル・スタビリティ・アシストの略です。

VSAが標準装備されているのは

  • N-ONE
  • N-WGN
  • N-BOX
  • N-BOX SLASH
  • S660

バモス以外のすべての車種に標準装備されています。

ダイハツのアトレーワゴンと同じで、N-BOXよりも全高の高いバモスにも標準装備で欲しいですね。ワンボックスタイプの軽自動車ではスズキのエブリワゴンだけが標準装備となっています。エブリイワゴンだけが2015年モデルチェンジの新しいモデルだからですが。

日産の横滑り防止装置 VDC

各種センサーにより、ドライバーの運転操作や車速などを検知し、ブレーキ圧やエンジン出力を自動的に制御し、滑りやすい路面やコーナリング時、障害物を回避する際に発生する横滑りを軽減し、車両の安定性を向上させ、走行時の安心感を高めてくれます。

TCS(トランクションコントロールシステム)、ブレーキLCD(リミテッドスリップデフ)機能と合わせてVDCと呼ばれています。

VDCとはビークル・ダイナミクス・コントロールの略にになります。

VDCが標準装備されているのは

日産の軽自動車にはすべて横滑り防止装置が標準装備されています。NV100クリッパーはスズキのエブリイワゴンのOEM供給なので標準装備となっています。

横滑り防止装置(ESC)まとめ

軽自動車への装備が義務化されているわけではありませんが、最新の軽自動車に関してはほとんどのモデルで標準装備されています。これからモデルチェンジされるモデルや新型車については、すべて標準装備されていくことになります。

  • 横滑り防止装置(ESC)は事故の発生率を下げる大事な安全装置
  • 普通車は搭載が義務化されているが、軽自動車は2018年2月以降の義務化
  • メーカーによって呼びかたが違いわかりにくい装備
  • スズキはスペーシアが標準装備ではなく全グレードオプション設定
  • ダイハツはミラココアとアトレーワゴン以外は標準装備
  • ホンダはバモス以外はすべて標準装備
  • 日産はすべての車種で標準装備

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